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鉄筋とコンクリートによって高い耐久性、耐震性、そして防音性を持つRC住宅。しかし、そうしたRC住宅特有のトラブルがあります。それが「爆裂」というアクシデントです。このページでは、RC住宅における爆裂の仕組みやその補修方法を見ていきましょう。
RC住宅における爆裂とは、コンクリートが内部から破裂するというアクシデントです。爆裂が起こると壁面からコンクリートや鉄筋が押し出され、ひどいものになると内部の鉄筋が露出したり、コンクリートが欠落したりします。通常のコンクリート以外にも、軽量気泡コンクリート(ALC)のボルト穴から発生するケースもあるので注意が必要です。爆裂が起こったRC住宅は耐久性が大きく低下するので、早急に対処しなくてはいけません。
爆裂は、RC住宅の老朽化によって壁面に生じたクラック(ひび割れ)から雨水や空気が侵入し、内部の鉄筋が錆びることで引き起こされます。コンクリート壁内部で錆びていった鉄筋は次第に膨張し、内側からコンクリート壁を押し上げるのです。そして、内部からの鉄筋の膨張に耐えられなくなったコンクリート壁は内側から破裂してしまいます。
通常、RC住宅のコンクリート壁はアルカリ性に保たれているので、内部の鉄筋が錆びることはありません。しかし、クラックから空気に含まれる炭酸ガスが壁内に侵入すると、コンクリートに含まれている成分と反応すると、中性化が起きます。そして、この中性化が鉄筋まで進行すると鉄筋が錆びてしまうのです。
爆裂によるリスクは、RC住宅の建造物としての寿命を大きく縮めてしまうことです。コンクリート壁内部で建物を支えるのに欠かせない構造体である鉄筋が錆びると、建物の耐久力は大きく低下して、地震や台風といった自然災害に対して弱くなってしまうのです。さらに、いったん爆裂が起こると、そこからさらに雨水や空気が侵入することで内部の鉄筋の錆はどんどん広がっていきます。そうなると、より広い範囲でコンクリート壁の欠落が起こるようになり、建物の耐久性の低下が早く、広くなってしまうのです。
コンクリート癖に爆裂が起こると耐久性が大きく低下するほどの規模でなくても、非常に目立つので美観は大きく損ねてしまいます。爆裂が起こると、クラックだけでなく内部の鉄筋が錆びることで中から錆汁が出てきて壁の表面が茶色くなってしまうため、建物が全体的に古ぼけた印象になってしまうのです。
爆裂が起きると、その周辺のコンクリート壁は損傷しもろくなり、コンクリート片が落下するようになります。小さいサイズならまだしも、大きなコンクリート片が落下するようになると通行人や車などに衝突する事故が発生し危険です。
前述の通り、RC住宅で爆裂が起こると建物の耐久力低下をはじめとするさまざまなリスクを生じます。そうしたリスクを回避するためには、爆裂の早急な補修が重要です。
爆裂の補修は、爆裂箇所の調査から始まります。鉄筋が露出している部分やコンクリートが浮いている部分を打診調査し、マーキングしていきます。調査とマーキングが終わったら、次は錆のある鉄筋が露出するまで爆裂箇所にハツリ処理です。
鉄筋を露出させたらブラシなどを用いて丁寧に錆を落とした後、浸透強化剤や錆止め塗料を用いて防錆処理を行います。その後の工程は以下に挙げる2種類です。
注入工法とは、コンクリート壁のひび割れ部分に専用の注入器具を用いてエポキシ樹脂などを注入する補修方法です。時間をかけて圧力を加えつつゆっくりと注入することで薬剤をひび割れの奥深くまで浸透させ、コンクリート躯体と一体化させることが可能です。ひび割れの補修方法としては一般的なもので、高い信頼性を誇ります。さらに加工手順も簡単なので、やり方さえ間違わなければDIYも可能な点も魅力です。DIYが可能なキットも市販されているので、自信があるならDIYに挑戦して見るのもいいでしょう。
充填工法は、サンダーなどの工具を用いてひび割れ部分をV字やU字に削り、そこからシーリング材やエポキシ樹脂などを充填する方法です。ひび割れの規模が大きい場合は、注入工法より充填工法のほうが適しています。
充填工法を行う際に注意しなくてはいけないのが鉄筋の状態です。すでに鉄筋に錆が発生している場合、補修前にかならずコンクリートを削って鉄筋を露出させ、錆落としや防錆処理をしたうえで補修を行わなくてはいけません。事前に錆落としや防錆処理を行っていないと、非常に高い確率で爆裂が再発してしまうからです。充填工法を行うには、専門的な知識と技術が必要となります。したがって、補修の段階ですでに鉄筋に錆が見られた場合DIYではなく、必ずプロの業者に相談し正しく確実な補修をしてもらいましょう。
参照元:ヤブ原産業の仙台リフォーム営業所 コンクリートの爆裂はリスクが大きい?原因と補修方法を解説
RCコンクリート住宅における爆裂とは、コンクリート壁面に生じたひび割れから空気や雨水等が入り込み、内部の鉄筋が錆びて膨張することで壁面が押し上げられて損傷する現象のことです。爆裂が起こると、建物全体の耐久力の低下のほか、美観を損ねる、コンクリート片の落下による事故といったリスクが生じます。
RCコンクリート住宅の爆裂の補修には、注入法と充填法のふたつの方法があります。注入法は爆裂の補修方法として高い信頼性のある方法で、専用の注入器具を用いてひび割れ部分にエポキシ樹脂などを注入する方法です。時間をかけてゆっくりと薬剤を注入することで、ひび割れの奥深くまで薬剤を浸透させます。手順が簡単なので、市販のキットを用いてDIYすることも可能です。
充填法はひび割れの規模が大きい場合に用いられる方法で、ひび割れ部分をサンダーなどでV字やU字に削り、そこからシーリング材やエポキシ樹脂を注入するというものです。かならずコンクリートを削って鉄筋を露出させて錆落としや防錆処理をしないと、高確率で爆裂が再発してしまうので気をつけましょう。また、充填法を適切に行うには専門的な知識と技術が必要なので、必ずプロの業者に相談してください。
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