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何事にも寿命があり、住宅も例外ではありません。木造住宅に比べて費用コストが高いRC住宅ですが、その木造の住まいの平均的な寿命は細かいメンテナンスを施せば65年ほどだといわれています。しかし、同じ条件でのRC住宅の寿命は120年ほど。およそ2倍の違いがでてくるのです。
住宅の目安のひとに「耐用年数」と「寿命」があります。よく同一視されるこの2つの目安ですが、耐用年数とは滅価償却資産として利用に耐えうる年数や期間のことで、寿命とは別の指標になります。
国土交通省では、この耐用年数は「物理的」「経済的」「期待」といった3つの概念に分けられています。物理的耐用年数とは、使用されている建材が工学的な見地から決定される年数。経済的耐用年数は、市場の視点で考えられる年数のこと。そして住宅の機能を十分に発揮できることが期待できる年数のこと期待的耐用年数といいます。
RC住宅の耐用年数は、税法上47年と定められています。木造は22年、鉄骨造は34年と言われているので、住宅工法の中でも比較的長いと言えるでしょう。RC住宅は木造や鉄構造よりも耐久性・耐震性が高いため、耐用年数も長く設定されています。圧に強いコンクリートと、引っ張る力に強い鉄筋を混ぜ合わせているRC住宅は、高い強度を発揮するのです。
耐用年数が長いと資産価値も上がるため、長く使えて愛着のある家づくりができるでしょう。
「耐用年数=建物の寿命」ではありません。RC住宅の寿命は47年以上もつと言われています。しかし、建物の寿命は厳密に○年と定められていません。メンテナンスができているか、住宅が建てられる場所の環境はどうか、建物の設備はどうかなど、状況によって左右されるからです。
RC住宅に限らず海沿いに建てられた家は潮風の影響で錆びやすいですし、日差しが強いエリアは外壁劣化スピードが速いでしょう。定期的にメンテナンスをして点検・修繕をすれば、耐用年数よりも長く快適に暮らせます。
耐震性や高耐久力などを備えているRC住宅ですが、決してメンテナンスフリーというわけではありません。寿命と耐用年数を維持するためには、適切で正しいメンテナンスが必要不可欠です。
例えば、木造にあってRC住宅に起こりえるのが「クラック」。これは、外壁や内壁、そして基礎部分に入る亀裂やひび割れのことです。あまり目立つことはありませんが、コンクリートは年数を経るとわずかな収縮と膨張を繰り返してクラックが生じてきます。
そのほかにもコンクリートが欠落してしまったり、外壁などの塗装部分が剥げてしまったりすることが十分に考えられます。
前述のとおり、クラックなどを適切に補修しておかなければ、確実にRC住宅の寿命は下がります。実はそれだけでなく環境破壊がコンクリートの性質自体を変化させて劣化を速めてしまうこともあります。
その要因は酸性雨や酸性になった土壌、化学物質、そして火災による熱など。空気中に含まれる二酸化炭素などの成分も劣化を招く原因になります。これらを放っておくと、コンクリートの剥離などを引き起こして、鉄筋が露出してしまうといった被害も出てくるのです。
中性化は、コンクリート内部の性質がアルカリ性から中世に変化することです。コンクリートは、たくさんの成分(セメント・細骨材・粗骨材・水)を練り混ぜて固めて作られています。
コンクリートは、pH12〜13の強アルカリ性です。しかし、コンクリートの表面に二酸化炭素が触れると、化学反応を起こしてアルカリ性から中性へ徐々に変化していきます。その結果、表面にひび割れができたり鉄筋に錆が発生したりなど、建物の劣化へと繋がってしまうのが劣化の原因です。
ASRは、アルカリ骨材反応のことです。骨材成分とコンクリートのアルカリ性が化学反応を起こすと、アルカリけい酸塩が膨張します。コンクリートの内部で風船のように膨張すると、表面にひび割れが発生するのがASRの現象です。ひび割れだけでなく、ゲルの滲出や目地のずれも起こります。さらに劣化が進むと、コンクリート中の鋼材が腐食する可能もあるのがデメリットです。
塩害は、コンクリートが剥がれ落ちたり鉄筋のサビ汁が出てきたりする現象です。コンクリートの中に埋め込まれた鉄筋が錆びてしまい、アルカリ性濃度が変化することで起こります。
コンクリートが一部だけ欠けて、中に筋交う鉄筋が錆びて剥き出しになっている建物を見たことがないでしょうか?特に海辺に建てられた家は、塩分がコンクリートの中へ徐々に浸透していきやすく、塩害が発生しやすいと言われています。
凍結融解はコンクリートの中に入り込んだ水分が凍結して膨張し、ひび割れを引き起こす現象です。東北から北海道などの寒い地域だけでなく、氷点下を記録するような場所でも発生する可能性があります。
現に四国・九州エリアでも、凍結融解による建物損傷が報告されているそうです。ひび割れた部分からさらに水が浸透すると、次の凍結で前回良りも大きく膨張するため、ひび割れが進行する悪循環に陥ります。
頑丈で住みやすいRC住宅には、メンテンナンスが必要不可欠だということがお分かりいただけたでしょうか?メンテナンスをおろそかにすると、RC住宅に備わっている「耐久性」「耐震性」「耐火性能」といった最大の特長を喪失させてしまうことにもつながってしまうのです。
RC住宅づくりで最も大切なのは言うまでもなく、メンテナンスサービスが充実している住宅会社を選ぶこと。いくらメンテナンスが重要だといっても専門知識がない素人にはなす術もありません。きちんとした保証体制を備えている住宅会社を選ぶことが、長い寿命で適切な耐用年数のRC住宅で暮らす最も重要な方法なのです。
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