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快適な生活を確保するために住まいに求められるポイントはたくさんあります。採光もそのひとつです。ここでは、採光の必要性やメリット、採光のポイントについて見ていきましょう。
人の生活の場となる部屋は、必ず一定以上の自然光を取り入れられる大きさの窓を設置することが建築基準法で定められています。この窓の大きさが「有効採光面積」です。有効採光面積は土地の環境や隣家との距離などによって異なりますが、建築基準法では有効採光面積を、「室の床面積の7分の1以上」と定めています。
有効採光面積は、「窓の面積(W)×採光補正係数(A)」という式で算出されます。「採光補正係数」とは、部屋への光の入りやすさを表す数値で、主にどんな地域の建物かや窓の位置によって変化します。どんな地域の建物かは、都市計画区域内の用途地域分類である「住居系地域」「工業系地域」「商業系地域」「無指定地域」の3つのうちどれに当てはまるかで判断します。住居系地域は工業系・商業系地域に比べてより良い日当たりが求められるので、採光補正係数が小さくなり、大きな窓の設置が必要になります。
自然光が差し込む部屋と常に薄暗い部屋、住んでいて気分が爽快になるのはどちらかと聞かれれば、答えは言うまでもないでしょう。十分な日当たりが確保された部屋は、それだけで暮らしやすく気分が良くなるものです。
日当たりによって気分が良くなるのは、単なる気のせいではありません。日光を浴びることで、体内ではセロトニンという物質が生成されます。このセロトニンには気持ちを明るくしたり元気にしたりする効果があるのです。このように、日当たりがいい部屋にはそこにいるだけで気分が良くなるというのは、科学的に証明されています。
1日の終わりである睡眠が充実したものであれば、生活のリズムも整い、1日の活動も力が出るもの。十分な採光のある部屋なら、睡眠の質を向上させることもできるのです。
その秘密は睡眠の質を向上させる効果のある物質であるメラトニン。メラトニンは、朝起きてから14〜16時間ぐらい後から分泌が増加することがわかっているのですが、メラトニンが分泌を開始するためには、体が朝起きたことを理解しなくてはいけません。そして、そのためには、朝起きたら朝日を浴びて体内時計をリセットする必要があるのです。
採光が悪い部屋だと、朝が来ても部屋の中に十分な光が差し込まず、体内時計がリセットされません。そうなると体が朝起きたことを理解できず、メラトニンが生成されないのです。その日1日を活動的に過ごすためにも、部屋を採光のいい環境にして、朝起きから日光をたっぷり浴びることができる環境を確保することが重要なのです。
住まいの中でも、浴室などの水回りはどうしても湿気がこもるので、カビが発生しやすい場所となります。しかし、水回りに採光の良い窓を取り付けることで、日光と風を取り入れて湿気がこもるのを防ぎ、カビの発生を予防できるのです。
さらに、日光には殺菌効果もあることがわかっています。紫外線に殺菌効果があることは広く知られていますが、オレゴン大学の研究によれば、可視光にも殺菌効果があることが分かりました。そのため、十分な採光には殺菌効果もあり、衛生的な空間を保つことができるのです。また、十分な採光を確保しておけばカビや細菌といった汚れの原因の発生を抑制することができるので、毎日の掃除の負担を減らし、家事を楽にすることができるというメリットもあります。
建物の中に十分な自然光を取り入れることができれば、証明や暖房を使わなくても室内を明るく、暖かく保つことができます。特に、玄関、階段、物置といった建物の中でも暗くなりがちな場所に採光窓を設置することで、十分な明るさを確保できるのです。
また、十分な採光があれば広い空間であっても十分な暖かさを確保できます。そのため、LDKなどの広い間取りの家でも、暖房に頼り切ることなく室内を暖めることができるのです。
室内に十分な自然光を取り入れられるかどうかは、子供の知力や体力の発達にも影響を与えることがわかっています。
アメリカの企業「Pacific Gas and Electric Company」が行った調査結果によれば、十分な採光のある教室で学習した子供は、十分な採光のない教室で学習した子供に比べて、読解力は26%、計算力は20%勝っているという結果が出ました。
また、採光は体の発達にも大きな影響を与えます。骨を丈夫にするために欠かせない栄養素であるビタミンDは、自然光を浴びることによって体内生成されます。したがって、採光のいい住まいは子供が健康で丈夫な体を育てるためにも重要なのです。
採光の良い住まいを建てるためには、その土地の天候を知っておくことも重要です。
岡山の天候は、「晴れの国」と呼ばれるほど温暖です。ただし、県南部と県北部では機構が大きく異なります。
県南部は温暖で、年間降水量も1,000mm~1,300mmと少ないです。対して県北部は冬になると気温は低くなり、積雪もあるので車を利用する場合はスタッドレスタイヤが欠かせません。年間降水量は1,600mm~2,000mmとなっています。
腰高窓は、防犯のために格子をつけることができます。出入りや搬入に使わない窓は掃き出し窓として活用することを考慮しましょう。
キッチンにあまりにも強い直射日光が差し込むと、食材を痛めてしまう危険があるので、ただ単に自然光を取り込めばいいというわけではありません。そのため、キッチンの明るさは自然光と照明のバランスを考慮したものにする必要があります。
採光窓は大きさだけを意識しがちですが、高さも重要です。窓の高さを高くすることで、小さな窓でも部屋の奥まで光を届かせることが可能となるのです。ただし、窓の向きによっては西日が入りすぎて暑くなることもあるので、高さと向きはセットで考えるようにしましょう。
快適な生活ができる住まいを建てるためには、採光を考えることが重要です。そもそも、十分な採光が得られる窓の設置は建築基準法で定められており、その建物がどんな用途に用いられる地域に建てられているかという用途地域によって、必要な窓の大きさは変わってきます。
十分な大きさの窓を設置して採光が良い環境にすれば、気分が良くなる、睡眠の質が向上するといったメリットがあります。窓によって採光を確保するためには、道路や隣家に面した壁には腰高窓を設置する、キッチンは照明と自然光のバランスを考える、高さを考えるといったポイントを押さえる必要があります。
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