公開日：2025年5月22日｜更新日： 2025年5月22日

【塗り壁】RC住宅の外壁仕上げ

RC住宅の外壁のうち、塗り壁仕上げの特徴や塗り壁のメリット・デメリットをまとめました。RC住宅の外壁をどれにしようか検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。

塗り壁とは

塗り壁とは、下地の上に土などの自然素材を塗って壁を仕上げることを言います。世界のさまざまな地域で用いられるオーソドックスな仕上げ方法で、日本でも古来より広く採用されてきました。昔は竹を下地に用いていましたが、現在では石膏ボードやモルタルが使われています。

塗り壁で外壁を仕上げると、素材そのものの質感や風合いを楽しめるほか、素材の持つ強みや特徴によって建物の機能性を高める効果があります。

外壁を塗り壁で仕上げることによって、建物の防火性を高めることができます。特にセメントと砂、水を混ぜ合わせたモルタルの外壁は燃えにくく、昔から木造住宅でよく使われてきました。

モルタルは外壁仕上げの下地として使われているため、他の塗り壁材を選んだ場合も防火性の向上を期待できます。

現在、塗り壁の主流となっているジョリパットも耐火性に優れており、種類によっては不燃認定を取得しているものもあります。

塗り壁材は種類や色、質感のバリエーションが豊富なため、自由自在に壁の質感を表現しやすい特徴があります。和風の住宅にも洋風・欧風の住宅にもなじみやすい特徴で、塗り方を工夫すればいろいろな表情を演出できます。

扇形やスパニッシュ、刷毛で引いた筋模様、スポンジなど、塗り方の手法もさまざまです。好みの質感と表情に仕上げられることから、人気が高い傾向にあります。

乾燥するまで造形が自由な塗り壁は、オリジナリティある外壁にしたい際に向いています。

タイルやレンガを部分的にあしらったり金属やガラス、石などを埋め込んだりすることができます。好みの素材を組み合わせて乾燥させれば、世界に1つだけの外壁に仕上がるでしょう。

乾く前に型押しもできるため、壁に子どもの手形やペットの足跡を残したいときなどにも選ばれます。

色のバリエーションも豊富でコーディネートしやすいので、色のカスタマイズでオリジナリティを出したい方にもおすすめです。

職人が手作業で仕上げるため、人件費が高くつく傾向にあります。施工する職人の腕や経験によっては、価格が大きく変わる可能性もあるでしょう。

使用する材料によっては材料コストもかかるため、全体的な初期費用は高めです。ただし、サイディング仕上げと比較すると、メンテナンスのコストは低く抑えられます。

塗り壁は乾燥する過程で振動が加わると、ひび割れしやすい特徴があります。ひび割れを防ぐためには、先に下地を塗って2週間ほどおき、半分ずつ乾燥させなくてはなりません。

この工程をいれることによってひび割れを防ぐことはできますが、半分ずつしか乾燥できないためそのぶんの工期が長くなります。

塗り壁の質感を生み出している凹凸面付着した砂や泥は、平らな面が汚れたときと比べて落ちにくい傾向にあります。

表面の水分の影響で苔や藻、カビが付着することもありますが、汚れたからといって高圧洗浄機の使用ができない点には注意が必要です。高圧洗浄機を使うと、水圧で塗り壁が剥がれてしまう可能性があります。塗り壁で仕上げたあとは汚れがつきやすく、清掃などのメンテナンスもしにくいと考えておきましょう。

塗り壁仕上げでは、光の乱反射が起きず見栄えを整えるために、表面を平らにする高度な技術が求められます。

しかし、壁材で模様をキレイに出す作業は手作業のため、職人の腕に左右されやすい点には注意が必要です。塗り壁に慣れた熟練の職人が対応すればキレイに仕上がる可能性は高めですが、技術不足のスタッフや未熟な職人が施工したとき、仕上がり具合や耐久性が変わる場合があります。

ジョリパットとは、建装建材事業を手がける「アイカ工業株式会社」が製造・販売している壁面仕上げ用の素材で、日本で広く普及しているのが特徴です。外装のほか、門扉まわりなどの外構仕上材として使用されることもあります。

ジョリパットは再塗装もできるため、新築住宅のみならずリフォーム時にも選ばれる傾向にあります。外壁用のほか、内装用のジョリパットもありラインナップが豊富な壁材です。

粘土と石灰を混ぜて作られた昔ながらの建材で、白い仕上がりが特徴の漆喰。不燃性や耐久性、殺菌性、防音性が高く、古来から塗り壁仕上げとして用いられてきました。ギリシャのサントリーニ島の白く塗られた印象的な町並みは、漆喰で仕上げられていることで有名です。

耐久年数が高くさまざまな性能を発揮する一方で、汚れが目立つのがデメリット。再塗装の際には下地処理からやり直す必要があります。

水とセメントと砂を混ぜ合わせた、主成分がセメントで構成された素材です。質感が良く意匠性に優れていることから、戸建住宅に広く採用されています。仕上げ方によっては味わい深いデザインにすることができるでしょう。

ただし、ひび割れが発生しやすく、凹凸に仕上げた場合には、汚れが溜まりやすい傾向にあります。建物内部への水の侵入を防ぐため、ひび割れがおきた場合には早急なメンテナンスが求められます。

珪藻という植物プランクトンの化石が積み重なってできた土を珪藻土と言います。珪藻土には無数の穴があり、その穴が水分を吸収したり乾燥したときには湿気を排出する機能があります。そのため、調湿機能や脱臭機能に優れているのが特徴です。

ただし、土壁以外で使用すると十分な性能を発揮できないため、現在の住宅の外壁仕上げにはあまり向いていません。現在では主に内壁材として採用されている素材です。