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ここでは、コンクリートの打ちっぱなしに関する基礎知識やコンクリート打ちっぱなしを用いたRC住宅の特徴、外壁をコンクリート打ちっぱなしにするメリット・デメリットを解説します。
打ちっぱなしとは、外壁の仕上げにタイルや塗装などを行わず、コンクリートの表面そのものを仕上げとしたものです。コンクリートそのもののグレーカラーが特徴で、見た目は少し冷たいような印象を受けますが、建物全体が洗練された雰囲気になります。
コンクリート打ちっぱなしの建物は、1923年にフランスの建築家オーギュスト・ペレが、教会の柱に用いたことがはじまりとされています。
その後、様々な建造物でコンクリート打ちっぱなしが用いられるようになり、日本では現代建築家の巨匠、安藤忠雄氏の影響で一般住宅に使われるようになりました。
※参照元:竹内工務店(https://www.takeuchi-kyoto.jp/update/4725/)
打ちっぱなしと聞くと、何も塗られていないコンクリートそのままをイメージする方もいますが、実際はそうではありません。コンクリートは、雨風や紫外線の影響を受けると表面が汚れたり色褪せたりするため、表面には保護膜のような塗装が施されています。
コンクリートの表面に撥水材やクリアー塗料を塗布すると撥水性や防水性が高まり、雨染みを防ぎます。また、サビ止めや劣化防止の効果によって耐用年数の高まりも期待できます。
打ちっぱなしコンクリートの外壁で美しい仕上がりを実現するには、高度な技術が必要です。
施工技術が不足していると、コンクリートの表面に砂利が露出したり空洞ができたり、コンクリート内部に空気が残って気泡ができたりと、外壁の仕上がりに影響を及ぼします。また、一見きれいに仕上がっているように見えても、仕上げ処理の不足やコンクリートの流し込み方次第では、強度低下を引き起こす可能性もあります。
コンクリートの十分な知識と技術に加え、厳重な現場管理が求められるのも打ちっぱなしコンクリートの特徴のひとつです。
コンクリートの無機質な質感と色合いは、都会的でスタイリッシュなイメージを与えます。外壁に打ちっぱなしを採用することによって、建物がクールで洗練されたデザインに仕上がります。
また、コンクリートは金属やガラス、タイルなどの無機質な素材との相性も抜群です。外壁にガラスやタイルを組み合わせれば、よりデザイン性の高い仕上がりになります。
コンクリートを用いたRC住宅は、木造や鉄骨造の住宅よりも柱の少ない空間設計ができます。柱と柱の間の距離を長く取れるため、開放感のある大空間を実現できる点が魅力です。
間仕切り壁をあまりつくらず、空間のつながりを意識した家にしたい、開放的なLDKにしたいといったケースに向いています。
打ちっぱなしの住宅は、燃えにくい鉄筋とコンクリートでできているため耐火性が高くなります。また、引っ張る力や圧縮に強い構造から耐震性が高いのも特徴です。そのため、コンクリートを使ったRC住宅は、木造住宅と比べて火災保険料や地震保険料が安く抑えられるメリットがあります。
さらに、コンクリートは木よりも比重が重く音を通しにくいため、打ちっぱなしRC住宅は防音性も高くなります。
コンクリートは熱が伝わりやすい特性があり、外気の温度が室内に伝わりやすくなります。
そのため、外壁を打ちっぱなしにするとコンクリートが外気の影響を受けて、夏は熱気を、冬は冷気を溜め込みやすくなります。すると、「夏は暑く、冬は寒い」過ごしにくい家になってしまう可能性があるため注意が必要です。
外気と接する壁の内側に断熱対策を施すことによって、年中過ごしやすくなります。
外気の影響を受けやすい打ちっぱなし住宅は、結露やカビの発生に注意しなくてはなりません。
特に冬のシーズンは、外部の冷たい空気が壁や窓から伝わって室内の暖かい空気が冷やされ、結露が発生しやすくなります。
結露を放置しておくとカビの発生につながるため、結露が出ないような対策が必要です。こまめに換気して湿度を逃す、除湿機を設置するなどで防止しましょう。
打ちっぱなしコンクリートの住宅は、コンクリートの質感や風合いを活かすために撥水材やクリアー塗料以外の塗装が施されていません。内装で壁紙による仕上げをしていない場合、汚れが目立ちやすくなります。
また、雨水や紫外線による影響を長く受けると、雨染みや変色が起こる場合があります。コンクリート専用の撥水材やクリアー塗料で防水性・防汚性を高める対策が必要です。
打ちっぱなしコンクリートは、無機質な質感や色合いがクールでスタイリッシュな印象を与えることから、シンプルで都会的なデザインの住宅をつくりたい方におすすめです。
ただ、コンクリートそのままの質感を活かすぶん、雨水や紫外線の影響を受けるとひび割れや雨染みが目立ちやすくなります。
施工時には撥水剤やクリアー塗料が施されていますが、耐用年数を過ぎると塗料の効果は薄れていきます。美観と機能を長く維持するためにも、塗料の塗り替えやひび割れ補修など、定期的なメンテナンスで劣化を防ぐことが大切です。
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